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「奏子さんとの出逢いは、運命だった。
彼女の血を貰って、私は変わった。
“破邪の血”と呼ばれているが、
清らかで、美しく、可憐な血が、
汚れた僕を救ってくれた。」
「やだ、昌耶さんったら・・・・・・
嬉しい・・・・・・」
そこ。見つめ合わないでください。
感傷に浸ってます。
「現状、鬼と化した血縁者を
『吸血鬼協会』は追っているが・・・・・・
血を大量に飲んで
本来の力を発揮している者に対し、
僕たちはどうすることも出来ない状態だ。
抑える力を持つ『聖職者』も、
今いる面々では難しい。」
「“破邪の血”は、諸刃の剣と呼ばれているわ。
破邪の力が弱いと、抑える前に
吸い尽くされてしまう。
私の血で、抑えられるならと
いつも考えているけど・・・・・・」
「そんな危険な役目を、奏子さんには
させられない。」
「昌耶さん・・・・・・」
だから、そこ。
感傷に浸らせて。




