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20-25


みんなが注目する中、俺と杏奈は

向かい合い、目を合わせた。



見上げる彼女の表情は。

どんな状況下でも、俺の胸を

ぎゅっとする。



杏奈。

俺が今、こうして地に足をつけて

立っていられるのは······


お前が、いるから。


貴重で尊い血を、分けてくれているから。



ありがとう。



想いを込めて、彼女の頬に手を添えた。



潤む瞳は、奥まで覗けるくらい

澄んでいるから、

潜りたいと思ってしまう。溺れたい。



白い首筋は、ほんのり赤く染まっていた。



飲みたい。


ただ、その本能だけが。


俺を、突き動かす。




「んぅっ······!」



小さい呻きとともに、俺の腕を掴む

彼女の力が強くなった。





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