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乾さんの言葉で。
会長の意思が、はっきりと分かった。
俺たちが存続する為には、
歩み寄りが必要だ、と。
「······」
口を閉ざして、俺たちを見据えまま動かない
貴也の親父に、緋葉さんは戸惑っている。
貴也の親父が、Yesと言えば。
緋葉さんは、従うだろう。
······石井 輪冶。
お前、まだ、そのままなのか。
大丈夫なのか?
「······全ては、この目で確かめてからだ。」
論より証拠。と、いうことだな。
「一つ訂正しておく。
思う存分、っていうのは違う。
彼女の負担を考えない吸引は、
血狂い起こしたヤツと変わらないからな。
そこは、理解してくれ。」
「······ふっ。」
その笑いは、了解ってことで捉えるぞ。




