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「そういうの、ウザいんだけど。」
「実際の効果を知る事ができたので、
感謝しています。」
······えっ。
ぶっつけで、試したってことか?
効かなかったら、ヤバかったんじゃねーか?
乾さん、クレイジーすぎないか?
「元に戻せって言ってんのよ。」
「残念ながら、今のところ手段がありません。
未知数でしたので。」
「じゃあ、アンタを殺ればいいって事よね。」
強い殺気。これには、
貴也も黙っちゃいない。
乾さんの前に出る。
「僕が相手になるよ。」
「同士討ちしよう、ってわけ。
腐ってんの、そっちでしょ?」
「人との共存は、切り離せないものだよ。
それを考えない方が、
おかしいとは思わないの?」
枕木 緋葉は、露骨に顔を歪ませて
貴也を睨みつけた。




