585/646
19−24
「先程血の匂いセンサーについて、
相手側が想定していると申し上げましたが、
恐らく、半人である朔耶様が使えるとは
夢にも思っていないはずです。
朔耶様の知り得る情報は、
表向き程度だと判断します。」
「じゃあ······それも、
有利に働くかもしれませんね。」
「はい。貴也様が使えるとして、
騙すこともできます。」
······いや、さっきから思ったんだけど
貴也と乾さん、すげー息合ってねーか?
考えも、キレすぎてるし。
「僕の顔は、父親似じゃない事を
祈りたいです。」
「似ていたとしたら、油断を誘えますよ。」
「ははっ。どちらにしても、良い方向へ
持っていけるってことか。」
「はい。貴也様なら、可能です。」
「いえ。乾さんが、
導いてくれるお陰ですよ。」
見ていて何か、すげーいい雰囲気。
······そっか。
貴也は、これを壊したくないんだな。きっと。




