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「・・・・・・あの、実は・・・・・・」
クラスメイトの女子、杏奈に
嚙んで血を吸った事。
そして、それが原因で眠ってしまった事。
包み隠さずに、順を追って話していった。
親父は口を挟まず、黙って聞いてくれている。
表情を変えず、ただ俺の目を見て。
一通り話し終えると、俺は
疑問に思っている事を尋ねた。
「前に、さ・・・・・・親父に聞いたことあったよな。
『血を飲まなかったら、どうなるか』って。
俺たちは、吸血鬼だから
飲まないと生きていけない。
そう答えてくれたけど・・・・・・
逆に思ったんだ。
『たくさん飲んだら、どうなるのか』。
日常の、飲んでる量って
もしかして、最低限なのかなって。」
『飲まなければ、生きていけない。』
それは、何となくわかる。
だけど、
『たくさん飲んだら、どうなるのか。』
こっちの方が、実態に近い気がする。




