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俺は身体を起こし、リビングに
親父が入ってくるのを待った。
ネクタイを緩めながら、昌耶は
微笑んで声を掛けてくる。
「ただいま、朔耶。
・・・どうした?制服のままじゃないか。」
立ち上がって、言葉を返した。
「おかえり。・・・えっと、その・・・・・・
帰ってきたとこ悪いんだけど、
ちょっと話がしたいんだ。」
親父の後ろから、奏子が上着を受け取る。
「見慣れない靴もあったが・・・・・・
お客様が来ているのか?」
「とりあえず、こっちで・・・・・・」
ダイニングテーブルの椅子へと促すように、
俺は歩いていく。
ただならない様子を悟ったのか、親父は
それ以上何も問うことなく、従ってくれた。
奏子も俺たちの後から、椅子に座る。




