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「行ってらっしゃーい!」
大きく手を振って、奏子が
俺たちを見送ってくれた。
朝日が、眩しい。いい天気だ。
今夜飛ぶには、いいかもな。
「放課後、直で協会に行くの?」
「あぁ。ちょっと腹を満たして行こうとは
思うけどさ。」
「じゃあ、駅前のフレバニで食べてこ?
付いてくのダメになっても、協会には
一緒に行きたいから。」
おぉ。フレバニか。
ちょっとした放課後デートじゃん。
フレッシュバニー。通称フレバニ。
お財布に優しい価格で、いっぱい食べられる
有名ファストフードチェーン店だ。
そして、兎万糖グループ傘下でもある。
「杏奈。明日から中間なのに、いいのか?」
そう。気になっていたんだ。
試験期間に入るのにっ、て······
「徹夜勉強しない主義なの。
もうテスト範囲は、バッチリだよ。」
おぉ······頼もしい。ドヤ顔寄りの笑顔。
それも、かわいいと思える俺って。
へへ。どーしよーもねぇなぁ。




