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「さぁさぁできたわよ〜!
しっかり朝ごはん食べていくのよ〜!」
見計らったかのように、奏子が
キッチンから出てきた。
木のトレーに乗っていたのは、
みんなの分の白飯と茄子の味噌汁。
いつの間にかテーブルには、納豆と
焼き鮭、ひじきの煮付けが置かれていた。
今までの俺なら、朝から入らねぇって
なってるところだ。でも。
今日は、全部いける。美味そう。
「いつもありがとう。奏子さん。」
「うふふ!どういたしまして!」
「ありがとう。母さん。」
「うふ······えっ。朔······」
ぽろっと、出ちまった。
いいだろ。たまには。
「やーん!あんたどうしたの?!
最近かわいいじゃないのーっ!うふふ!」
わわっ!頭ぐしゃぐしゃ撫でるなっ!
「ふふっ」
杏奈が、笑ってる。
うん。笑顔。これもご馳走。
これからも、いっぱい笑わせるからな。




