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ごくん。喉を鳴らす。
はぁはぁしてる俺、変態すぎませんか。
嫌われませんか。息くさくないっすか。
歯磨いてればよかった。ちくしょーっ。
ぐっと、杏奈の両腕を掴んだ。
細い。細いな。力加減しないと、折れちまう。
こんなに、細いとは。白いとは。
かわいいとは。あーっ、もう!
為せば成る為さねばならぬ何事もっ!
ふわりと、触れる程度に重ねた。
勿論キスは初めてじゃない。
このくらい、なんてことは······
ぐはぁぁぁーっ!
柔らけぇっ!すげぇっ!やべぇっ!
濃厚なやつとか、できる気がしねぇ!
「······おやすみなさい。」
とろけてる。いい笑顔。
俺のヘタレキスで、
そんなにとろけてくれんのか。
「······おやすみ。」
申し訳なさが押し寄せて、彼女の頭を撫でた。
でもそれでまた、とろけていく。
こ、こんなんでいいのか?杏奈?
ごめんな。ヘタレが治ってなくて。
······これから、メンタルも鍛えてこ。




