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18−4


梳くように、そっと杏奈の横髪を

かき上げて、ゆっくり引き寄せた。


血脈が目視できるくらい、透き通る肌。

清らかな首筋は、いつ見てもクラクラする。


俺の唾液に治癒効果があるってのは、

本当に幸いだったと思う。

こんな綺麗な肌に、傷を付けるなんて。

命が幾つあっても償えない。



腹は、満たされている。だが、

吸いたくなる衝動は、抑えられない。


吸血鬼としての俺は、

満たされていないということ、なのか。



かぷり。


ほぼ無意識で、噛み付いていた。



「······っ」



ビクッ、と、杏奈の身体が震えた。



美味いのは当然。だけど、

毎回リセットされたかのように

味が微妙に変わる。


今夜のは、何だろうか。


極上の甘さに、一滴

何かを垂らしたような。



広がって、染み渡る。




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