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ほわんと、いいにおい。
想像していたよりもシンプルだ。
綺麗に整頓されている。
全身が映る鏡とか、スキンケア類とか、
俺の部屋にないものばかり。
「こらこら朔耶くん。好きな子の部屋を
じっくり見るなんて、いけない子だね☆」
指摘されて、ビクッとした。
しまった。つい。
ちらっと杏奈を窺うと、頰がほんのり赤い。
「あまり見ないでね······恥ずかしいから。」
「ご、ごめん。」
おおぅっっ······そのセリフはっ······
だ、ダメですよ、そんな顔して言うのはっ
······
「ははははっ!君たちは非常に
ラブリーだな!美しい!
ずっと見ていたくなるよ!フゥー!」
······ツジーがこの空間にいる事で、
色々と何かが緩和される。
いいのか、悪いのか。
「さぁ。遠慮はいらない。
私など存在しないものだと思って、
心ゆくまで味わってくれたまえ。」




