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「今から、愛しきスイートハニーの
香しく清らかな血潮を、
もらいにいかなければだろう?」
「えっ?いや、もうお腹いっぱ······」
「人間としての君は満たされているだろうが、
吸血鬼としての君は、飢餓状態だよ?
その自覚はあるのかな?」
「いやいや、でも朝、いただいたし······」
「トゥーバッド!
吸飲は、夜が深まる頃に行うのが
ベストだと教わらなかったのかな?」
······なにぃ?
それは、知らないぞ。
「······まぁ、仕方がない。
吸飲した後の欲情は、若ければ若いほど
止められないものだ。それを懸念して、
昌耶は教えてなかったのかもしれないが。」
う。それは、あり得る。
「力を蓄え、朝日が昇ると同時に爆発させる。
これ実は、人間と何ら
変わりないところなのだよ。
これからは、底力を発揮させる為に
サイクルを大事にしたまえ。」




