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俺の実体験を元に書き記した
“吸血鬼の調べ”は、最重要機密事項として
ツジーがデータベース管理する事になった。
増血剤やら捕獲網やらの開発には、何と
ツジーが基盤となって進められたらしい。
天才とナントカは紙一重、だな。全く。
会長の犬にしか見えないのに。
あっ。これ、語弊を生む言い方か?
“「調べの記述をデータ化したいので、一晩
大地家に泊まらせてもらうよーん。」”
そう告げたツジーの表情は、
すごく楽しげで嬉しそうで。語尾に出てた。
多分、奏子に会える喜びなんじゃないかと。
いや。これは、
昌耶には間違っても言えねぇ。
マジで捉えちまうからな。
俺たちはツジーを連れて、
奏子と杏奈が待つ大地家へ帰る事になった。




