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純粋な吸血鬼である、父親。
確かに、直接聞いた方が話は早い。
「その子のご両親は、心配していないかしら?
連絡しておいた方がいいわね。
連絡先、知ってるんでしょう?」
「・・・・・・知らない。」
「えっ。知らないの?」
「・・・・・・独り暮らし、っていうのは聞いた。」
「そう・・・・・・あら?」
奏子は杏奈を見て、何かに気づく。
椅子から立ち上がって近づく様子を、
俺は疑問に思いながら見守る。
「噛んだ後・・・・・・おかしいわね。
普通は傷になってるはずだけど・・・・・・」
あっ。
俺も、それは気になった。
「これも、昌耶さんに聞いてみましょう。」
・・・・・・
良かった。
キスマークだって、イジられなくて。




