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「あの、僕も······拝見したいです。」
「イエス!ヒアユーアー!」
極寒地帯へ誘われるところだった。
貴也、ナイス。
「待て。」
ツジーが、ノートを手渡そうとした時だった。
「くぅ~ん」
「河野 貴也。」
名指しされて、貴也は背筋を伸ばす。
会長の表情は、和やかじゃない。
そう。この部屋に入る前から、
こいつを警戒している。
「私の下で偽りを申せば、
直ちに集いから外れてもらう。
その覚悟の上、答えよ。」
「······はい。」
会長の圧を受けて、
普通でいられるわけがない。
貴也の表情は、固くなっている。
入会の時の、杏奈を思い出す。




