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「奏子さんは既に、
君だけしか見据えていない。
私の入る余地はないのだ。それは、
十分に分かっているよ。」
「······星弥。すまない。疑ってしまって。」
「ははははっ!君は本当に真面目だな!
何も変わっていない!そんな君が、
私は大好きだ!さぁ!ハグしよう!」
「い、いや、それは······」
「恥ずかしがるな!
私とお前の仲ではないか!」
うわうわ。イケオジ二人のハグとか、
ある意味マダム卒倒映像。
何だ。このくだり、恒例なの?
めっちゃ仲良しじゃん。
「両雄が安泰でいるからこそ、私は
思う存分動くことができる。
大いに感謝しておるぞ。」
「ありがたき御言葉です。クイーン・兎川。」
「お見苦しいところを······
申し訳ありません。会長。」
「ふはははっ。確かに大地君は真面目すぎる。
それが長所でもあるが、もう少し
綾辻君のように柔軟に
受け取らなくてはな。」
「はい。仰せの通りです。」
何だよ······びっくりしたぜ。
何か、無事にまとまったっぽい。




