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「両雄、積もる話があるだろう。
語り場へ向かうとしよう。」
やんわり割って入る会長にも
目を向けず、互いにガン飛ばし······
いや、気のせいか?
「我が家に来るつもりなら、事前に
連絡してもらわないと困る。」
「私とお前の仲だろう?
そんな建前必要かね?」
「急に来るといったら、
奏子さんが困るだろう?」
「それはすまなかった。何も構うな。
奏子さんの手料理とか、恐れ多くて
喉を通らないよ。麗しきお顔を
拝見出来れば、それでいいのだ。」
「それで済むわけがないだろう。
奏子さんは優しいからな。」
「ああ。分かっている。彼女は、いつでも
全てを優しく温かく包んでくれる······
マイ、スイートは······」
「それ以上言うなら、絶対に
敷居は跨がせんぞ。」
「おおっと失礼。口にするのは
野暮というものだな。私たちだけの、
秘密の言葉だった。」
え······ちょ······何?
二人とも、親友、なんだよな?




