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協会の受付には普段、
乾さんが立っていて出迎えてくれる。
しかし、彼女ではない
意外な人物が、俺たちを笑顔で
迎え入れてくれた事に驚いた。
「ようこそ。我が吸血鬼の集いへ。
······朔耶。貴殿が無事この日を迎え、
ここへ訪れた事を名誉に思うぞ。」
「······会長······」
何と、兎川会長自らのお出迎え。
普段身につけている黒のドレスも
ゴージャスだけど、今日のは
胸元に真っ赤な薔薇のコサージュが
付けられていて、映えている。
ただ、なんかな〜······
何か、物足りないというか······
フェチ的に、引っかからない。
「より、逞しい顔つきになった。うむ。
私は嬉しいぞ。かなり名残惜しいが、
ほっぺたぐりぐり〜は、もう卒業だな。」
良かった。もう、されないってことっすね。




