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「でも、大丈夫。
効果は時間とともに薄れて、目が覚めるわ。
安心しなさい。」
母親の笑顔が、こんなにも
頼もしいと思ったことはない。
納得した。
杏奈が眠っているのは、俺の麻酔のせい。
で、変な感じになっていたのは・・・・・・
なるほど。言えないよな。
「・・・・・・じゃあ、その・・・・・・
『吸血鬼協会』から調達してたのって・・・・・・」
「そう。それが原因とも言えるわね。
・・・・・・普段のアレはね、実は私の血なのよ。
味は、どうだったかしら?うふふ。」
まさかの、おふくろの味。
ご苦労さまです。
「昌耶さんにとっては、極上品だと思うわ。
うふふふ。」
ノロケを、挟まないでください。
「とにかく、噛んで血を吸う方法は
もうしない方がいいわね。
歯止めが利かなくなってしまうらしいの。
昌耶さんが言うには、吸血鬼の
本来の飲み方で、本能だからって。」




