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杏奈の身体が重くなる。
力が入らないのか、
俺に寄りかかっているようだ。
でも、抱き留めるのは容易い。
今の俺は、彼女の身体の重さなんて
羽根くらいに優しい。
飲み過ぎ注意。
彼女の負担にも繋がるからな。
匙加減も、分かるようになってきた。
そっと外すと同時に、杏奈は
俺の胸元で息を乱す。
かわいい。かわいすぎ。
どうしよう。このままでいたいな。
ぺろぺろと、噛み跡を舐める。
噛み跡が残らないようにってのが
前提で······飲んだ後いつも、
名残惜しくなるからってのが本音だ。
「んんっ······あはっ······」
そんな俺の本音が分かっているのか、
彼女は受け入れてくれる。
いつもくすぐったそうにするのが、
かわいくて。止められない。




