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吸血鬼の集いでも、
ドレスコードがあるらしい。
フォーマルスーツ、一択。
聖職者の集いのような、遊び心は皆無だ。
協会に出向いた時同様、この日の為に奏子は
俺のフォーマルスーツを新調していた。
キラキラスーツが恋しい。
フォーマルスーツは、真っ黒だもんな······
何か物足りない。
こんこんこん。
「朔耶ー。入ってもいい?」
ベストタイミングだ。
全て整った直後に、訪ねてくるなんて。
流石は杏奈。パーフェクト。
「あぁ。どうぞ。」
応えると、ガチャンと控えめにドアが開く。
ひょこっとかわいい顔を出して
俺の姿を見た途端、彼女の大きな目が
さらに大きくなった。
「さ······くや。えっ······
カッコ良すぎ······」




