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みんな顔を揃えて、朝食の時間を過ごす。
ある意味これって、
すげー贅沢な時間だよな。
奏子が作った美味い朝食と賑やかさ。
綻ぶ杏奈のかわいい笑顔。
親父の穏やかな雰囲気。
何気ないひとときが、
俺の宝物になりつつある。
······
どうしたんだろ、俺。
こんな真面目に考えることって、今まで
······
いや、忘れていただけかもしれない。
いじめられて孤独を感じた頃から、
俺の中で何かが狂ってしまった。
でも、今。やっと。
本来の俺が、取り戻せたのか。
······
ただ、俺の変態すぎる煩悩だけは
順調に成長している。
真面目モードの今でも、
緩く髪をまとめてかわいい杏奈の
超絶白くて綺麗な首筋から目が離せない。
ううむ。美しい······
噛みつきたい······
吸血鬼の俺が、ざわついている。
うん。
朝食の後、飲んでいいか頼んじゃおう♡




