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和んだと思ったら、すぐに奏子は
真面目な顔になった。
「今まで話してなかった、私たちの責任よ。
ごめんなさい。
・・・・・・吸血鬼の唾液は麻酔のようなもので、
噛むと同時に、犬歯から相手に注がれるの。
特殊な効果があって、
第一段階は、快感が駆け巡る。
その後、眠気が襲って深い眠りにつく。
これが第二段階。
そして第三段階は、昏睡状態に陥る。
・・・・・・その子の様子を見ると、
第二段階までのようね。何とか大丈夫だわ。」
驚く以外、なかった。
「・・・・・・唾液に、そんな効果があるのか?」
「ええ。だから、
長い時間飲み続けてしまうと、
相手が死に至る程の、強力なものなの。
近いうちに話そうと思っていたのだけど
・・・・・・遅かったわね。」
「死に・・・至る?」
思わぬ『死』の言葉に、青ざめた。




