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日曜日の早朝。
俺は珍しく、
カーテンを優雅に開ける余裕ありつつ
目を覚ましていた。
普通ならまだ、寝ている時間だ。
日曜日ってのもあって、杏奈姫はまだ
眠っているだろう。
目覚めのキス······いや、邪なことを考えない内に
何か腹に入れよう。
誰も起きてないだろうと思って
リビングのドアを開けると、奏子が
キッチンに立っていた。
「あらっ!おはよ、朔!珍しいわねぇ!」
「母さんこそ······休みなのに早ぇな。」
「何言ってるの。毎日この時間で
通常運転よ?」
えっ。いつもこの時間に起きて、もう?
······そっか。
俺が、知らないだけだったのか。
「······いつもありがとう。」
ポロッと、口にしていた。




