477/650
16-12
みんなで階段を上がっている途中、
俺は聞いてみた。
「乾さん。会長に、
伝言を頼んでもいいっすか?」
「はい。何なりと。」
「今度の吸血鬼の集いに、
貴也も参加させてもらえないかなって。
もし許可がもらえるなら、本人は
是非参加したいと。」
二人は、顔を見合わせている。
少し驚いた様子だった。
「朔耶。実は自分たちも、
その事について話してたの。」
「えっ。そうだったのか?」
「禁固されている身柄ではありますが、
貴重な純血種です。公認ではありませんが
語り場の参加としては可能では、と。
会長が今後、どのようになさるのかは
未定ですが······」
おぉっ。それなら、
前向きに考えてくれるかも。




