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······貴也。
「君が羨ましいよ。僕の憧れなんだ。
······だから、いつまでも朔耶くんは
朔耶くんのままでいてほしい。
僕たち吸血鬼にとって、君は
希望の光だから。」
······急に、真面目になるの反則だぞ。
「······そんなんじゃねーよ。俺は、
どっちつかずってだけで······」
どっちにもなれない。それは、寂しいぞ?
「大好きな人を、大事にできる君が
僕は大好きだよ。」
······
「······こんな俺を、受け入れてくれるお前が
俺も大好きだ。」
「友だちでいてくれて、ありがとう。」
「······こちらこそ、だ。」
そうだ。貴也といる時の俺は、
心の声がダダ漏れになってる。
素を、出せているってことだよな。
「ありがとう。貴也。」
 




