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ちらっと奏子を窺うと、
穏やかな笑顔を浮かべていた。
「じゃあ、その子は知り合いなのね?」
「・・・・・・あぁ。」
「しかも、好きな子ってわけね?」
「そ、それは・・・・・・」
どうなのだろう。
「あなたは幸せ者よ。
この子の血は、どうだった?」
「・・・・・・美味かった。とても。」
「そう!大好きなのね!うふふ。」
俺は、首を傾げる。
言われている事が、さっぱりだ。
「吸血鬼の、血に対する味覚はね・・・・・・
好意を持っていれば持っているほど
極上になるらいしいの。
だから朔耶は、その子のこと
とても大好きなんだと思ってね。」
「い、いや、違うって。」
「照れなくてもいいじゃないの~。
とっても可愛らしい子じゃな~い。」
寝てるのに、かわいいとか分かんのかよ。
見かけは、確かにいいけど。




