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「い、いーんだよ!そ、そんな、
タクサンするもんじゃねーだろぉがぁ!」
「たくさんしたくなるから。僕たちって、
所詮動物なんだよ。好きな子との遺伝子を
残······」
わーっ!!!
「ストーップ!!もういい!!分かった!!
分かったから!!その内ね!!
その内しますから!!今は学生でいいの!!
お勉強が大事なの!!」
「あははっ。ムキになってるし。
僕は嬉しいよ。
朔耶くんが、素を出してくれて。」
出さざるを得ないでしょ?!
「俺たちは俺たちのペースがあんの!!
分かる?!
やるのが全てじゃないんだぜ?!」
「うん。その通りだよ。人間は、
本能のままではいられないってこと。
吸血鬼の僕は、
その歯止めが効かないことも。
······だから今、恋をして
思い通りにならないのが幸せなんだ。」




