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「やぁ、朔耶くん!
今日も来てくれて嬉しいよ!」
「よぉ、貴也。相変わらずイケメンだな。」
「ははっ。朔耶くんの方が、
ちょーイケメンだよ?」
それはないだろ。
何か見る度に、肌艶良くなる気がするな。
しかも、眩しいくらいに良い笑顔だ。
固く閉ざしていた彼の心の扉は、もう
開放されている。
互いに、名前を呼び合うまでになった。
「こうして取り戻せて、穏やかでいられるのも
僕の女神のお陰だよ。
もうね、毎日が幸せなんだ。」
恋って、素晴らしいよね。うんうん。
確か、貴也に与えられている血は
乾さんのだと聞いている。
想いを寄せる相手の血を
毎日いただけるなんて、
吸血鬼の冥利に尽きるというやつだ。




