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「ジムを使われますか?」
「いえ、今日は
お礼を言いに来ただけで。」
「朔耶。河野に会っていったら?
自分、ここで待ってるよ。」
······杏奈。
「レングラント嬢。ちょうど、
良いお茶菓子が手に入ったのです。
良ければ、ご一緒にお茶でもどうですか?」
「わっ。いいんですか?是非!」
「朔耶さま。そういう事なので
どうぞごゆるりと。」
······乾さんまで。
「······ありがとうございます。
二人のお言葉に甘えます。」
貴也と会う事に関して、二人は
理解を示している。
この心遣いに、感謝しかない。
面会時間は相変わらずの15分だが、
それができるのと
できないのでは、全く違う。




