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潤んだ彼女の瞳が、俺を捉える。
ううむ。美しい。
その汚れなき海の中で、溺れたい。
······
ん?
すげー間近で、真横から
すげー熱い視線を感じる。
彼女も同じく、その方向へ目を向けた。
「······どうした?続けたまえ。
君たちは非常に、
ワンダフル、ビューティフル、
エクセレント、マーベラスだ。」
······黒光りするスーツを纏った、おっさん。
しかし、おっさんと言っていいのか。
かなりの、美形。
親父とはまた違うタイプの、紳士。
並ならぬ気品が溢れている。
······貴族か?
「素晴らしい。帰国して、早々
美しいものを目にすることができた。
学び舎に足を運んで正解だった。
君たちには感謝するよ。」




