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「分かるだろ?
俺は、お前しか見えてないの。」
「ひゃあぁぁぁ······」
杏奈は、悶えている。
めっちゃかわいい。
うふ。何か、楽しくなってきた。
俺は、ピタッと足を止める。
「分からないなら、分からせてやるけど?」
「えっ?えっ?」
もう片方の手を、杏奈の頬に置く。
「ちょ、まっ、まって、さくやっ······
ここ、普通の歩道······」
うん。勿論、みんな俺たちを横目に
通り過ぎていく。
同じ高校のヤツらもいるな。
今の俺は、変なスイッチが入っている。
逆に、見せつけてやろう的な気分だ。
「杏奈。俺の目を見て。
······大丈夫だから。」
安心して。子猫ちゃん。
赤い目は使いませんよ。
 




