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ざわついたのは朝だけで、
授業が始まってからは
みんな普通に授業と向き合っていた。
テスト目前という、現実が
押し寄せたのだろう。
俺は初めて、自分が
吸血鬼で良かったなんて思っている。
でなきゃ、杏奈とは出会えなかったし
仲良くなる事も多分、なかった。
早くも諦めかけていた、自分の人生。
意外と、バラ色なんじゃね?
いや、血の色に掛けて言ってないぞ?
幸せに思えるって、有り難ぇと思う。
······
何か、真面目に考えちまった。
でも、大事だよな。
よしっ。テスト乗り越えて
杏奈とデートするぞっ。ぐふふっ。
頑張れるぜぇぇぇっ!
どこに行こうかな♪♪♪
何食べよっかな♪♪♪
······ダメだっ。
逆にニヤけて集中できないっ。
 




