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俺たちが教室に姿を見せた瞬間、
みんなから一斉に
フゥーッ!と声が上がった。
「おかえりー!!」
「杏奈!たっぷり話聞かせてもらうよー?」
「えっ、ちょ······」
彼女のダチが取り囲み、連れて行かれて
離れていく。まぁ、無理もない。
人だかりができるのは、勿論杏奈の方だ。
俺には来づらいのか、近寄ってきたのは
柏原くらいだった。
「よぉヒーロー!お疲れさん!」
肩を組まれ、席に連れて行かれる。
「ヒーローって······
一体どういう扱いだよ?」
みんなの反応もだが、ヒーローというのは。
「ヒーローだろうが!彼女の為に、
何もかも投げ出して
傍にいてやるとか。
お前カッコよすぎだよ。」




