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2日間、何というか
日常と違う時間を過ごしたせいか
学校に行くという事が、妙に嬉しく思えて。
勿論そんな風に思った事は、自慢じゃないが
一度もなかった。
どちらかというと、ダルい方で。
今まで、いい思い出が
なかったからかもだけどな。
柏原から言われた言葉が、意外と
刺さっている。
《みんなさ、お前たちのこと
応援してるよ!何かあったら言えよ?
全力で協力するから!》
みんなが、俺と杏奈の仲を
祝福してくれているという事実。
めっちゃ嬉しいし、
こんなに心強い事はなくて。
ハイスペック女子の杏奈と
むっつり平凡男子の俺じゃ、
釣り合いが取れてないと思われて
おかしくないのに。
「朔耶?聞いてる?」
その呼び掛けに、はっとした。
彼女の方を見ると、
じっと俺の様子を窺っている。
······マズい。聞いてなかったぞ。




