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これは、弁解が必要かもしれない。
「あの、これには理由があって・・・・・・」
「中に入りなさい。」
言い分を聞かず、奏子は家の中へ促す。
対応もだが、いつもと雰囲気が違う事に
俺は戸惑う。
「とりあえず、リビングのソファーに
その子を寝かせて。」
そう言いながら、前に掛けていたリュックを
外してくれた。
的確に指示を出す感じ、看護師っぽいな。
いや、そうだけど。
言われるままに俺は、杏奈を背負ったまま
玄関を上がり、リビングへ歩いていく。
ソファーに座るように杏奈を下ろして
リュックを外してやると、
そっと寝かせた。
起きる様子がない。
気持ち良さそうに、眠っている。




