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「もう十分だっ。最近は、そのっ、
ちょっとの量でも満足なんだよっ。」
「······そう、なんだぁ······」
杏奈の、とろけ具合がヤバい。
とろけ過ぎて、通り越し······いや、
それ以上は、経験ない俺が
言えることじゃない。
そんな、残念そうな顔すんなよっ。
ぐっと堪えろっ、俺っ。
「杏奈に、負担かけたくないから······
大丈夫。我慢とか、してないから。」
「······うん······」
落ち着いて、優しく、頭を撫でよう。
「いつもありがとう。杏奈。」
感謝の気持ちを伝えるって、大事。
親父がいつも、奏子に伝えているように。
彼女は、ふわりと微笑む。
あっ。ナンテカワイインダ······
「······こちらこそ、朔耶。大好き。」
······はわわわ······
そんなストレートに、言われちゃったら。
「······うん。俺も。」
自然に、近づいてしまう。




