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晩餐は、賑やかに過ぎていった。
杏奈は今夜泊まっていく事になって、
俺のテンションも爆上がりだ。
これからまた、彼女という花が
大地家に根付いて育っていくんだな······
朝、起こしてくれるかな。うへへ。
その期待も生まれる。良いことだらけだ。
彼女が奏子と一緒に楽しく話しながら
晩餐の片付けをする光景は、まるで
親子同然みたいに微笑ましくて。
心から笑っているのが分かって、
安心している。
曇って翳っていた表情は、1ミリも見えない。
いつもなら親父が率先して、
食器洗いをする。それに倣って
俺も一緒に手伝うのだが、今日は任せてと
奏子が笑顔で制した。
今日は、二人に任せよう。そう言って、
親父はリビングを離れた。
うん。女子トークの邪魔をしちゃ悪い。
 




