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とろんとした目線から逃れるように、
噛み跡を舐める。
「ひゃうっ、あははっ」
くすぐったそうにしている彼女は、
しっかり意識を保っているようだ。
どういうことなんだ。
そう思いながら、舐めまくる。
後で、除菌シートで拭き拭きするからな。
治るまで、我慢だぞ。
日を増すごとに、
治癒力が高まっているらしい。
舐めて治す時間は、1分間にも満たない。
綺麗に跡が消えたのを見届けて解放すると
杏奈は、ぐったりと
ソファーの背もたれに身を預ける。
直ちに俺は、近くに設置されている
除菌シートに手を伸ばして
首筋を拭こうとすると、彼女は
笑いながら止めた。
「いいよぉ?自分でするからぁ。ふふっ」
何か、いけないことしちゃったみたいな
流れに、いつもなっちまう。
これも、通常モードだ。




