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「ありがとう!いい香り〜♪♪♪」
この紅茶、奏子のお気に入りだ。
香りが良く、とても味わい深い。
俺はソファーテーブルに
二人分のティーカップを置いて、
杏奈の隣へ腰を下ろした。
彼女は、笑顔でティーカップを持つ。
ふんわり上る紅茶の湯気を楽しみながら
口へ運ぶ姿だけでも、俺の顔は緩む。
「おいしっ♡朔耶、淹れ方上手だね!」
「そうか?それは良かった。」
奏子が紅茶入れているのを
こっそり見て、覚えてしまった。
俺もこれ好きだし、な。
「こんな優雅なお昼過ごせるのって、
なかなかないよね。」
「あぁ。だよな······」
だいたい平日は学校だし、
ホントなら今頃、
授業が始まったところだろう。




