415/646
14-11
······まずは。落ち着かなければ。
正気に戻った時が、怖いぞ。
流されたら、終わりだ。
紳士な俺、甦れ!
彼女の頭を撫でながら、囁く。
「杏奈······」
「はいぃ······」
「どこに、出掛けようか?」
「······」
「杏奈が行きたい所に、連れていくよ。」
「······」
「考えといてくれないかな······
俺は、お前の行きたい所だったら
どこでもいいから。」
「······」
「楽しみにしとく。
······さぁ、食後のティータイムしようぜ。」
「······えっ······」
おっ、反応あり。
ゆっくり離れると、杏奈は目を丸くして
俺を見上げている。
何が起こったのか、分からないという顔だ。
やっぱり。何かが起こったに違いない。




