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「ちょうどいいかも。休憩しよっかなーっ。」
ぴろろろん、ぽろろろん、と
12回鳴り終わった後、杏奈は
背伸びをしながら立ち上がる。
「んーっ。集中してできたかも!」
「······それは、良かったね······」
こっちは一気に、戦意喪失した。
完全に、不意打ち失敗。
サプライズも不発だったし、俺に
タイミングの神様は、微笑んでくれないのか。
······でも、まぁ······
これで悔やむな。まだ始まったばかりだ。
今後も、到来する時を待とう。
このミッションは、
諦めるわけにはいかない。
吸血鬼の調べを、
クオリティ高いものにする為に。
「お腹空いたかも。
カレー、いただいてもいい?」
キラキラした目で言われて、
ダメですとは言えないです。
「うん。俺も腹減った。温めるよ。」
「自分も手伝う。」
「いいよ。杏奈は、
ソファーで休憩しといて。」
「······じゃあ、お言葉に甘えます!」




