前へ目次 次へ 4/710 3 洗面所から出てリビングに行くと、 有機ELテレビからニュースが放映されていた。 「おはよう、朔耶。」 低音で、渋い声が掛けられる。 顔だけ自分に向け、 ダイニングテーブルの椅子に 足組んで座っている、Yシャツ姿のおっさん。 この人が、俺の親父の 大地(だいち) 昌耶(まさや)。 身内の欲目ナシに、かっけぇ。 吸血鬼が容姿良いのは、人間を魅了して 血を吸う為だと聞いている。 俺はその血を引いているのだが、 自分じゃよく分からない。 ゆっくりとコーヒーを嗜む姿は、 英国貴族のように優雅だ。