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洗面所から出てリビングに行くと、
有機ELテレビからニュースが放映されていた。
「おはよう、朔耶。」
低音で、渋い声が掛けられる。
顔だけ自分に向け、
ダイニングテーブルの椅子に
足組んで座っている、Yシャツ姿のおっさん。
この人が、俺の親父の
大地 昌耶。
身内の欲目ナシに、かっけぇ。
吸血鬼が容姿良いのは、人間を魅了して
血を吸う為だと聞いている。
俺はその血を引いているのだが、
自分じゃよく分からない。
ゆっくりとコーヒーを嗜む姿は、
英国貴族のように優雅だ。