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忘れちゃいけないのは、“血の匂いセンサー”。
赤い目に次ぐ、吸血鬼本来のパワーだ。
これは、血狂いを起こした吸血鬼には
働かないらしい。
正常かつ血を飲んだ量に比例するから、
この力は現時点で俺だけしか使えない。
親父とか会長は、飲んでいる血が少ない為
センサーに引っかからない。
その日暮らし程度だから、本当に大変だ。
このセンサーが働いたから、
河野の件も分かったし
酒殿の変態っぷりも暴くことができた。
今後も、重要な力になるだろう。
考えてみれば、俺の周りには吸血鬼が多い。
離れて生きる特性があるにも関わらず、だ。
“吸血鬼協会”というものがあるから、
かもしれないが。
血狂いを起こせば、自動的に明るみに出る。
協会に関わりなく現状で生きていける
吸血鬼は、少ないのかもしれない。
隠して過ごせる生存率は、低いと考える。




