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「とりあえず、勉強は
リビングで一緒にするのはどうかな。」
俺の部屋とかは、マジでヤバい。
「うん。仰せのままに!」
ぶっ。杏奈が言うと、かわいいな。
乾さんのはガチめに、カッコよすぎる。
「ちょっと着替えてくる。」
「はーい!」
笑顔で送り出されて、こちらも
ニヤけが止まらない。
この時間、自分んちで杏奈と二人きりっていう
シチュエーションは、実を言うと
これが初めてだ。
土日は必ず、母さんか親父がいるからな。
······
正直言って、ホテルでの俺の紳士っぷりは
不自然だったと思う。
いや、それが正常だと言われたら終わりだが。
あれだけの環境があって、何もなかったのは
逆に異常だと思える。
杏奈の清らかな血でさえも、効果が
1日ももたないとしたら。
俺の煩悩は、やっぱり手強い。




