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12-24


ナイト・オブ・ルビー。

非現実的な時間を、ありがとう。


どこまでも、すげぇ。


ハイヤーと呼ばれる車は、

言われなくても高級車だと分かる。

会長たちが乗っていた車より、

遥かに縦長くて黒光りしている。


親父の乗用車が、可愛く思えるなぁ。

多分、まぁまぁいいヤツなのに。 



足を伸ばせるくらいに広い後部座席に、

俺たちは恐縮しながら乗り込んだ。



「どちらまで、いらっしゃいますか?」


運転席と隔たるように、

カーテンが仕切られている。

完全に、俺たちの空間だ。


運転手さんの物腰は、ちょー柔らかい。

タクシーの運ちゃん、という体では

決して、ない。


杏奈姫は悩んでいる様子だったので、

俺が指定する。


「彼女の家まで、よろしくお願いします。」


「かしこまりました。

 ご自宅の場所は、事前に確認済みです。

 ご安心してお寛ぎください。」



カーナビいらず。恐れ入りました。





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