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チェックアウトの内線を入れて、
俺たちはフロントへ向かった。
「大地 朔耶様。
アンナ・日下部・レングラント様。
またのお越しを、お待ちしております。」
またいつ来れるか分かりませんが
この度は、お世話になりました。
「ハイヤーをご用意しておりますので、
お好きな所へお送りいたします。
どうぞお気軽にお申し付けください。」
ハイヤーだと?
杏奈と、顔を見合わせた。
彼女も戸惑っている。
そんな俺たち二人に、フロントの方は
温かく包み込むように微笑んだ。
「ご安心ください。社長より、
ご手配を賜っております。
どうかご利用ください。」
会長。
ちっさいとか言ってごめんなさい。
あなたは果てしなく、大きいっす。




