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ひょこっと、杏奈が顔を出す。
「······いいの、かな?」
その顔の出し方、パーフェクト。
めっちゃかわいい。
お陰でお顔が緩んじゃう。
「いいんだよ。それで。」
もうちょっと、甘えなさい。
「······頼んで、みようかな。」
「俺からも、一緒にお願いするから。」
杏奈は笑って、とことこと俺の前に来て
お辞儀する。
「よろしくお願いします。朔耶さま。」
大変良き。
「軽く身支度して、家に行こう。
勉強なら、俺んちでするといいじゃん。」
俺んちにいた時も、杏奈は
よく勉強してた気がする。
それを思い出して言うと、さらに
すんごくいい笑顔になった。
「じゃあ、一緒に勉強しよう!」
えっ。
「んー······俺も?」




